2018年7月31日火曜日

(6564)ミダックの名証IR2018ブースへ行ってきました

(6564)ミダックの名証IR EXPO2018ブースへ行ってきました。

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業績などの情報です。
分析日18/07/20
市場名証2部
株価1840
時価61.1億円
PER16.1倍
PBR2.82倍
ROE17.5%
ROA4.7%
配当12円
利回り0.63%
優待×

業態:東海地盤の産業廃棄物の処理・管理業者。自社施設での焼却・脱水等中間処理から最終処分まで


静岡市浜松市本社の産廃~一般ゴミの処理までを行っている処理業者です。
最終処分場を持っていて一貫処理が可能なのが特徴的です。


【場所】
日時:2018年07月20日(金)
場所: 「吹上ホール」愛知県名古屋市

名古屋証券主催で毎年開催されている名証IRの2018年版。
ミダックのブースでは、ラフな感じで社長も参加している中、
若い社員が生き生きとして説明してくれました。

以下、説明してもらった事及び、筆者のいもらうが都度ヒアリングした事も加筆して説明していきます。
※ 意訳した部分もあり、微妙にニュアンスを間違って受け取ってしまったのもあるかもしれませんのでご了承下さい。

【成り立ち】
・1952年4月設立
・1996年 ミダックへ商号変更
 水と大地と空気を未来につなぐという意味を込めて各頭文字から付けられています
・2017年12月 名証2部上場




【事業内容】
1.廃棄物処分事業
2.収集運搬事業
3.仲介管理事業

1.廃棄物処分事業 売上:3,571百万(79%)  利益:1,109百万(83%)
自社施設による廃棄物処理サービス~最終処分場までを行うサービスです。
いわゆる「産廃」がメインであり、薬品などを水処理・大きなものを破砕して細かくする・ゴミを焼却するなどを行い、処分場へ埋め立てます。
化学薬品などの特殊処理も行っておりこれは専門性も高い為、利益率も高めになっています。

また、埋め立て処分場を持っているので、顧客から見て利便性が高いものとなっています。
この利便性ですが、産廃処理は厳しい法律があり、排出業者には最終処分までの責任が伴います。
2016年にCoCo壱番屋の廃棄カツを産廃業者が横流しして社会問題になったのは思い出せるのではないでしょうか。
ただ業者に出して終了という訳ではなく、最終的に処分されるまでが廃棄なのです。
その点、最終処分場である埋め立て地を持っているミダック社は一社で最終処分まで完結できるので、顧客から見ても都合の良い業者になるのです。

ちなみにこの埋め立て地ですが、そのまま埋め立てられる「安定型」と、汚水などが流れ出る可能性があるものを埋め立てる(ので土壌処理など色々必要な)「管理型」があり、ミダック社はどちらも持っています。

2.収集運搬事業 売上:692(15%) 利益:125(9%)
産廃排出業者から回収する事業です。
その為に様々な車両を完備しています。
これに付随して、産廃置き場などの清掃業務も受注しています。

3.仲介管理事業 売上:276(6%) 利益:98(7%)
産廃排出業者とミダック社以外の処理業者との仲介を行います。
ミダック社では扱えない特殊なものや、商圏外(現在は東海~関東が商圏)からの排出業者を他社へ仲介します。


【業界環境】
産廃業界の推定市場規模は約5.3兆円。
この規模は、印刷業・飲料業界と同規模と、非常に巨大なものです。
しかし売上高10億円以上は9%、従業員数100人以上は2%と、零細企業がほとんどです。
ミダック社の売上高42億円から見ると、拡大余地しかない状況です。

また、産廃の排出量は近年横這いの約400百万トンであり、最終処分場の残余量は年々減っているので、処分場を持つミダック社の強みとなっています。

上場企業比較では、売上高規模では(9793)ダイセキを筆頭としてタケエイ、エンビプロなどが続き、ミダック社は小粒なグループに入ります。
しかしROEでは他社の追随を許さないほどの高効率となっています。


【成長戦略】
・最終処分場
最終処分場の残余量減少とともに、価値は上がっていきます。
そこで既に最終処分場を持っているミダック社の価値も向上していきます。
それとともに、浜松市に新たに管理型最終処分場を新設します。
(設置許可申請済みで、竣工は2022年4月以降)
312万㎡の広さで埋め立て予定期間は30年と非常に長く、収益に大きく貢献していくものと考えられます。

・未展開地域への進出
産廃が出やすい工業地帯という事で、今後は太平洋ベルト近辺を中心に展開予定との事です。

・M&A
近年では三晃、ミダックはまなという2社のM&A実績があり、今後も進めていく可能性有り。
最終処分場は貴重なので案件が無いのでは?と聞いたのですが、処分場しか持っていない(中間処理ができない)という会社もあり、そうなると営業力もそこまで無いので意外に利益が出ないので、そういう案件もあるそうです。
矢板橋社長のインタビューによると、「将来的には北関東などの同業を買収し、現地に自前の処分場や中間処理施設を設けたい」との事なので可能性は十分でしょう。
ただし今はミダックはまな買収の借入金返済フェーズのようで、積極的な買収は目先はなさそうな印象がありました。


【足元の業績】

2018/3期決算
売上:4,244百万(+10.7%)
営利:883百万(+49.5%)
経利:839百万(+42.2%)
純利:492百万(+71.5%)

上場費用をこなして、凄まじい業績の伸びとなっています。
大きな要因としては大口のスポット案件があったとの事です。

しかしその反動か、2019/3期決算予想が厳しいものとなっています。

2019/3期決算予想
売上:4,208百万(-0.8%)
営利:827百万(-6.4%)
経利:783百万(-6.8%)
純利:372百万(-24.4%)

正直、上場2年目でこの決算を出されると厳しいものがあります。
話を聞いた限りではスポット案件を見込まない数値なので、下は固く上ブレもありそうな雰囲気ではありましたが。
なお今期これまでは、入札案件が多いので失注もあるものの、受注もあるので計画線のようです。


【ポジティブ&ネガティブ】
・ポジティブ
1.浜松市の最終処分場新設
最終処分場は捨てるだけ(というと少々語弊がありますが)なので、完成してしまえば凄まじく利益率が高くなります。
従って、竣工予定の2022年以降は業績が一変する可能性があります。
投資総額が70億円を予定しているので、もちろんそれ以上の利益が見込まれている訳です。

2.家庭ゴミも焼却している
富士宮事業所では富士宮市から家庭ゴミの焼却を受注しており、ほぼフル稼働。
景気が悪化して産廃が減少しても家庭ゴミはあまり減らないので、業績の安定に寄与します。
また、官公庁からの受注実績があるのは今後の受注においても有利に働きます。

3.中国産廃輸入停止
上記について尋ねてみた所、現在は特に影響はないとの事でした。
しかし、いもらう独自予想では今後社会問題化してきた時に追い風となるのでは?と考えています。
中小産廃業者では金属系産廃の分別は人海戦術に頼っている部分も多く、今まではそのまま中国に輸出していました。
それが禁止となり、今は他国への輸出もできて利益を出せていますが、そのうち分別不足で純度が低下したりして採算割れする可能性もあります。
そうなった時に、処理を請け負う & 埋め立てるという選択肢が上がり、ミダック社が選ばれる事もありうるかと。

・ネガティブ
個人ブログの特権?で、ネガティブ意見も書きます。
ホルダーさん怒らないでね(ちなみに私もホルダーですのでw)

・配当性向低い
ミダックはまな買収にともなう借入金返済を優先してか、12円の安定配当となっています。
配当性向で見ると一桁、利回りでも1%未満と非常に厳しい水準であり、配当が投資目的にはまったくなりません。
ただでさえ減益予想で見栄え悪いのに、1円ずつでも良いので増配傾向にする or もしくはM&Aなど成長に積極的な印象を与えないと、投資家は短期はともかく長期投資してくれませんよと熱弁してしまいましたw

・M&A展開は遅い?
上記にも書きましたが、借入金返済を優先しているふしがあります。
(自己資本比率も意識していそうです。)
仮にそうだとすると、年5億円ペースで返済しており借入金残が27億円なので、小型はともかくとして5年後まで大型M&Aはないかもしれません。
勝手な予想ではありますが、先行投資が嵩む浜松の最終処分場の竣工も同時期なので、あながち間違っていないのかも、、、


【まとめ】
収集~最終処分場まで一貫処理が可能!という他社への優位性もある企業であり、将来性もある有望な企業です。

スポット的には、近年増えてきた自然災害による特需(過去に実績有り)の可能性も無きにしもあらず。
ただ東日本大震災でも意外にも?80%が再生利用されたそうで、埋め立てしたのは6%程度のようです。

スポット案件を除いてしまうと、目先での大きな業績変化の可能性は低いので、地味に伸びていくのを取る中期保有向きの固い銘柄ではないでしょうか。
特に高い利益率が見込まれる新処分場が稼働する5年後には要注目です!
現在は名証2部という事で、東証への上場も将来的には考えているようです。

※ 当記事は独自判断も混ざったものとなり、投資は自己責任でお願い致します。